Marcyの料理日記FROM OUR KITCHEN
パテ・ド・カンパーニュという料理。
ビストロではおなじみの料理、パテ・ド・カンパーニュ。
見た目は素朴で、決して派手な料理ではありません。
でも、シンプルな料理だからこそ、考えることはたくさんあります。
marcyでは、乳化させたベースに、角切りにした塩漬け肉を組み合わせています。
豚タンを使うことが多いのですが、角切りの肉を加えることで旨味をぐっと引き上げ、なめらかな部分との食感のグラデーションを生み出します。
レバーも使いますが、あくまでコクを補うため。レバーの風味を前面に出すというより、全体の味わいを支える役割です。
そして、もうひとつ。
パテ・ド・カンパーニュには、長く受け継がれてきた伝統的な作り方があります。
そのひとつが、網脂を使って仕上げる方法です。
クラシックなレシピには、長い時間をかけて培われてきた理由や知恵があると思っています。
その積み重ねへの敬意は忘れずに、自分なりに考え、試しながら料理と向き合っています。
僕自身、網脂特有の香りや油脂感があまり得意ではないこともあり、marcyではベーコンを使って仕上げています。
伝統を変えること自体が目的ではなく、自分がおいしいと思える一皿を追求した結果、今の形になっています。
火入れは110℃のオーブンで約2時間。その後は余熱を使って仕上げます。
焼き上がれば完成、というわけでもありません。
できれば2週間ほど休ませてから提供したい。
時間を置くことで、それぞれの味わいがなじみ、全体に一体感が生まれる。そうすることで、旨味もより感じやすくなる気がしています。
仕込みから火入れ、その後の時間まで含めて、ひとつの料理だと考えています。
肉の配合、挽き方、味付け、火入れ、そして寝かせ方。
少しの違いで仕上がりが変わるからこそ、今でも試行錯誤の繰り返しです。
まだ正解はありません。
だからこそ、もっとおいしくできるんじゃないかと考えながら、日々改良を続けています。
派手さはなくても、手をかける意味のある料理を。
そんな一皿を、これからも作っていきたいと思っています。
ビストロmarcy
